心の通うまちづくり(東雁来地区児童会館問題)

2016.02.12

 心の通うまちづくり(東雁来地区児童会館問題
 
私たちのまち・東区を元気にしたいという思いで、20年間走り続けてきました。
まちが元気であるための条件は、ハード・ソフト両面が充実していることです。
 施設や道路などはハードであり、それを利用する人や、利用するためのサービスはソフトです。ハードを充実させるというのは、使う人というソフトの立場に立って考えることなのです。例えば公園であれば、その公園を地域の人がどう活用するかによって整備の方法は違ってきます。
 東区とひと口に言っても、高齢化が極端に進んでいるところ、子育て世代の多いところ、都心に近いところ、遠いところとずいぶん地域差があるわけですが、いろいろな立場の人たちの要望を受け、ささやかでもそれを実現できた時が一番うれしいです。

 高齢者福祉施設がご近所にあり、その忘年会に招かれました。若い人の多い職場です。毎年来ているため知っている顔ばかりです。近年、一つの職場に定着しづらいという若者の傾向について聞いていましたので、これには驚きました。介護関係は決して楽な仕事ではないはずですが、みんな仕事を続けていて、しかも実に生き生きと楽しそうにしています。人は自分の存在を必要とされることで、こんなに充実感を覚え、輝いていられるのだということに感動しました。そして、介護施設が地域にあって、入居する本人も家族も安心していられるというのはいいです。少子・高齢社会といいますが、「少子」・「高齢」というマイナスなものを取り合わせることによって、大きなプラスが生まれる気がします。

 若いお母さんたちともよく話をします。最近、「児童会館の建設を求める会」のお母さんたちと懇談しました。東苗穂、東雁来は、私が平成9年から議会で質問し、ライフワークでもあった「東雁来第2土地区画整理事業」によって、急激に人口が増加した地域です。近年、この地域には子育て世代が流入し、若々しい活気あふれるまちになりましたが、小学校の児童数が急増したため学校を増築しなければならないという市内でも珍しいエリアです。すし詰めの教室も大変ですが、問題なのは放課後です。既存の児童会館にも民間児童クラブにも子どもたちが入りきらないのです。就学児童の増加を認識して学校増築までした市は、同時に児童たちの放課後の問題についても策を講じるべきでした。

 また、「子どもたちが冬期に利用できる室内の遊び場がほしい」という要望が、他の地域のお母さんたちからありました。冬場は狭いところに引きこもりがちな札幌の子どもたちが思う存分身体を動かして遊べるように、地区体育館などの既存施設を、幼稚園、小学校の冬休みや放課後に無料で開放してもらえないかというものです。この問題についても、さきの放課後児童問題と併せて、市の早急な対応を求めているところです。

 子育て支援と言えば、待機児童の解消や保育の充実が真っ先に言われるところですが、仕事を持たずに子どもと向き合っている母親たちや、地域に遊び場のない子どもたちの問題も見逃すわけにはいきません。

 東区の元気を支えるものとして重要なのは、やはり生活道路です。まちを身体に例えるならば、道路は血管、生活道路は毛細血管です。小さな血管のつまりが大きな疾患につながるように、生活道路の整備や安全確保を怠れば市民生活はたちまち支障をきたし、場合によっては生命の危機にさらされます。「生活道路のすずき」と言われるほどに、この4年間は、皆さんの要望にアンテナを張って、生活道路整備に心をくだいてきました。

 地域の皆さんのそれぞれの目線に寄り添って、行政の気づかないようなささいな問題を見逃さず、また効率化、費用対効果を考える行政が、ともすれば棚上げにしてしまいがちな問題にも粘り強くアタックし、隅々まで温かい心の通う安全・安心なまちづくりのために、初心を忘れずに頑張ります。